■ 夢窓国師書 春帰家

紙本 縦25.5cm 横45.3cm
表装は改装され、その巻止めに「夢窓国師書 春帰家永保寺所蔵」とある。 箱は江戸時代のもので蓋表に「夢窓国師三字物」、裏に「盤礴庵什物夢窓国師真蹟中之郷小嶋茂八寄附」とあり、 下記のような大徳寺玉舟和尚鑑定の書状が添えられている。
夢窓国師之墨蹟春帰家之三字物
玉舟披見披申、可為正筆之旨候
左様ニ御心得可被成候
          恐惶謹言
極月三日      宗嘉(花押)

 春の前は冬である。落ち葉が落ちるかのように全ての煩悩をすっかりと落としたところで暖かな春を迎える。
 己自身の仏性に気づかずにいる人が、仏性を求め、自覚し、悟りに至る段階を「うしかひ草」や「十牛図」で示されている。全ての煩悩をすっかりと落とした境涯を「円相」で現わし、最後にはよく飼い慣らした牛(仏性)とともに家(本分の家郷)に帰るわけであるが、この春帰家は十牛図の「家に帰る」を端的に表した書であり、家に帰ってみればまさに「花は紅、柳は緑」である。